SNS運用は戦略(KPIなど含む)や人格定義も大事だけど、そもそも投稿しなよって話

SNS運用は戦略(KPIなど含む)や人格定義も大事だけど、そもそも投稿しなよって話

2022/4/2

枕にかえて

どうも、えんどう @ryosuke_endo です。
個人としてのアカウント運用など大したことはしていないのだが、お手伝いを依頼されたり業務として担当する部分に関しては相応に担っていること、それに加え、自身で手を動かすだけでなく進捗管理等を行う役割を担うことも、ありがたいことに受諾させていただく機会がある。
そこで行うことといえば、そもそも会社やブランド、商材が本質的に価値があるのかって話から、何でこの商売を行っているのか、どうしてこの商材なのか、そもそもコレを売ってどうしたいとか買ってもらった上でお客さんにどうなってもらいたいのか。
いわゆる上流工程の話になるが、そもそもSNSを運用することが経営方針や事業戦略と合致していないことなんてあり得ないわけで。経営方針や事業戦略と照らし合わせた際にSNSの運用自体が不要だと判断できるのであればするべきだとも思わない。
根本的になくても生きていけるものを利用する以上、そこに精力を傾けるだけの理由がなければ取り組む必要がないが、取り組むと決めたのであれば大上段に構えてガッチガチの戦略論に固執するのではなく、セコセコと小判鮫の如く投稿をすることが必要だろう。
今回は、そんな自身の失敗なんかも含めて共有する機会にしたい。

▶︎ 戦略や人格定義も大事だけど投稿することも大事

会社経営がそうであるように、SNSにおいても戦略や戦術といった面での方針は重要だ。
投稿を繰り返す中にも意図が表出していることが望ましいといえる。なぜなら、SNSでの投稿自体も企業やブランド、商材としての態度であり姿勢であるからで、一見すると逸脱するような態度をとっている場合であったとしても大きな枠組みから見ると戦略的な姿勢や態度であることも少なくはない。
軟式アカウントと呼ばれる、ゆるい態度でネット上で投稿を繰り返す公式アカウントもあるが、往々にしてネット上の潮流や雰囲気を敏感に察したうえでの生存戦略をとったに過ぎない。
それを何年も経過してから「SHA○Pの運用を真似したらいい」とか言いだそうものなら頭を引っ叩かれても文句はいえない。それほどにネット上の潮流や文化などは一時的なものが多く見られるため、乗っかることを躊躇したり検討している時点で敗北が決定している
つまり戦略を練り込むことは重要であるが、それ以上に現場に入り込んだうえで雰囲気を体感しつつ、振る舞い方をリアルタイムで模索する方向でしか生き残れないのだ。悪くいえば節操のない態度であるかもしれないが、よくいえば臨機応変な対応を求められると捉えることができる。
それらを企業やブランド、商材を全面に出しながらも空気感を知ることは投稿を繰り返す中でしか得られない。1週間に1投稿しかできない脆弱な運用体制でも、まったく投稿しないよりはマシだが、1週間に1週間に最低14投稿はするアカウント運用の体制とは比較にならない。
下手な鉄砲数撃ちゃ当たるとはいわないし、それ自体は無謀な態度だと思う。しかし、そもそも土俵に上がることなく、仮に上がったとしても片隅でぽつねんとしている様子を見て声をかけてくれるのを待つような場合、アカウント運用をやめた方がいい。
それほどに自らを表出することが必要なのがネットの海に入ることの前提条件だ。

▷ KGIやKPIについて

根本的にKGI(Key Goal Indicator)とは、経営目標達成指数といった何文字も漢字を使った熟語を英語化したもので、KPI(Key Performance Indicator)とは、重賞業績評価指数という八文字熟語だ。
バリバリの営業組織だけでなく、あらゆる組織や部署・部隊で「KPIの進捗は」とか「KPIに対してどうなってるの」みたいな会話が飛び交っていることだろう。その詰められるような言動や態度に恐れ慄く会社員は少なくないだろう。
ただ、おそらく上司側は感情的な要素が入り込んでしまう定性的な評価ではなく、冷静にかつ客観的な定量面での行動評価をしたいだけで、逆に定性的な面から業務評価をしようとすると、それこそ難しいものになってしまい、感情論で言った言わないの世界観な訳だが、それを業務内で行うことほど生産性のないことはない。
KGIは組織や経営の状態が一定期間後にどうなっているのか、どうなっていたいのかを示すものであり、それこそ大上段な話だが、最終的に果たすことを目指すのは「利益を上げること」これ一択であることは、あらゆる組織で変わりないだろう。そうでなければ組織を存続すること自体できなくなってしまう。
部署や組織の最終目標を達成するための指標として用いられるのがKPIで、それを達成することがKGIの達成に結びついていなければならないことは周知の通りだ。ここで言うまでもないだろうが、注意しなければならないのは「自分たちが能動的に動くことで影響がある数値」であることが前提である点だ。
たとえば、売り上げを高めるためには受注件数を高める必要があるが、受注件数を高めるためには前提として商談の設定件数と成約数の関係値が把握できている必要がある。
仮に成約率が高いのであれば決裁権者との商談までいければ成約率が高くなるものの、そこで相手は誰であろうと構わないとばかりに商談数だけをKPIとして設定してしまうと人によって数値が合わなくなってくる。
(そもそも成約率が高いってことは商材がいいはずで、商材が悪いものである限りはどこまで行っても売れないし、それを売ること自体は社会的に何の意義も果たさないのだから撲滅されてしまうのは仕方がないことだろう。)

▷ そのKPIとやらは自分たちが能動的に働きかけられることですか

上記した例としては、商談を設定する際の担当者としか会えないのか決裁権者に会えるのかといった商談に漕ぎ着ける過程を数値化しなければならないはずが、商談数のみ増やそうとなってしまうことによって数値が合わなくなったり、人によってあべこべな成績が出てくるような状態を産みかねない。
その過程分析自体が浸透していないのであれば、その分析を組織内に浸透させていくべきだが、他にも「自分たちではどうしようもないこと」をKPIとして設定しまうケースもある。
たとえば、SNS運用におけるKPIとして「フォロワー」や「いいね数」が設定されるケースは少なくないだろう。わかりやすい指標であると同時に、さも決定的なアカウントの存在感を示すような数値であるようにも思えるため、コレらを設定する組織も少なくないはずだ。
しかし、各種SNSでアカウントを保持しているユーザーの視点に立ってみると、フォローをするかしないかはユーザー側で判断することであり、組織や公式アカウント側で能動的に働きかけたところで数値反映することは難しい
「いやいや、だったら何を!」
そういいたい気持ちはわかるが、そもそも運用していれば投稿数や閲覧数、リーチ数やプロフィールなどのホームページ遷移数などが数値として上がってくるのだから、それを見たうえで閲覧数が月に4本しか投稿していないのと30本投稿されているアカウントがあれば、少なからず30本投稿があるアカウントの方が閲覧される数が多いのはわかる。
投稿数が少ないのなら運用工数が捻出できていないのか、運用工程に問題があるのか。はたまたネタ探しに時間がかかってしまっているのかといった運用面における課題が顕になる。
それらを無視して「フォロワーを年内に◯万人だ!」と息巻いたところで「投稿すらできていないのに...」といった現場泣かせのKPIになりかねない。
投稿数が少ないのであれば、少なくとも一定期間の中で投稿数を増やせるような運用工程を構築することで投稿数を1から5、5から10など、もしくは1から10でも構わない。
自分たちが能動的に働きかけることで改善できる数値がKGIに結びつくこと、結びつけられる数値であることを実感できるものにすべきなのである。

▷ SNSといってもネット上の販促活動の一環

SNSは、個人の雑な談話を無駄に消費する場所だと思っていたのは昔の話で、そこかしこで嫌な匂いがするようになってきた。
怪しげな勧誘をする文言を書き連ねるアカウントがいたり、明らかに営業的なスタンスで近づいてくるアカウントや、下世話で欲情的な内容を書き連ねることで引き込もうとするDMなどを送ってくるアカウントだ。
無論、それらだけが存在しているのではないが、少なくともアカウントを保持している人間は自らを承認されたいと考えていたり、考えていなかったとしても誰かに理解してもらったり受け取ってもらったりすることを期待している。
仮に期待をしていないとしても、吐き出す先(土壌)として片隅で嘔吐するような二日酔い者かの如く振る舞いを許容してほしいと願っているからこそ、投稿をしたり閲覧をする。
そんな罵詈雑言に溢れ、魑魅魍魎で気味の悪い世界に、わざわざ足を踏み入れてはやれブランディングだ、やれ認知拡大だと脂汗をかいた大人たちが躍起になる様もなかなかどうしてだ。
どこまで行っても販売促進の一環であり、ブランディングだなんだとカタカナで綺麗な物言いをしていたとしても、結局は自組織が生き残るために使える資源はすべて投下して何が何でも生き残ってやると奮闘する人たちが運営していることを想像すると客観的な視点から見れば水面に群がる鯉を眺めるような心地にもなる。
物理的な営業活動が泥臭くて、ネット上の営業活動がキレイだなんてことはあり得ない。ただ物理的な距離を移動しなくてよくなっただけで、本質的にやっていることは変わらない。どこまで行っても互いの欲望を許容し合い、金銭換算している行為なのだ。
だからこそ、無駄なことをやる時間を減らせるのであれば減らしたいし、やらなくてもいいのであればやりたくないだろう。
何というか、運用者たちが報われる世界線が訪れることを期待している。
ではでは。
えんどう

▶︎ おまけ

▷ 紹介したいnote

ソーシャルメディアを駆使することが何でもかんでもいいのではないが、それを利用した方がよさそうな業態はいくつもある。しかし、運用と経営方針が合致しておらず、ただただ運用するだけになってしまうのであればやらない方がいい。SNSであったとしても媒体であることに変わりはない。

にょりあきさんが書いているように、結局、果たすべき使命に向かってゴリゴリと推し進めている過程で認知され、許容され、需要になっていくのだから、はじめから大上段にカタカナを駆使しながら「ブランディングだ!!!」とかやる必要はないと思うのだ。

ぼくは、ありがたいことにnote内で紹介されている徳力さんの書籍内で登場する「普通の人の一人」である。登場するといっても自分から手を上げて登場させてもらった側なので何もすごくはないのだが、実名でやることでそれなりにいいことが跳ね返ってきたのは事実である。

▷ 本noteに関連する紹介したい書籍

おまけ部分で紹介しているが、ぼくが登場する少ない書籍の一つである。まぁ、といっても妻さん曰く「フラフラの権化」であるため、当時の所属先とは変わっている点は仕方がないことだが、いまでも利点を享受できる点においては存分に群がっていることに変わりはない。

自分の名前で仕事がひろがる 「普通」の人のためのSNSの教科書自分の名前で仕事がひろがる 「普通」の人のためのSNSの教科書組織で働く人は炎上や秘密漏洩を恐れて、ネット発信に及び腰になりがち。 しかしそうした「普通」の人ほど仕事上のメリットは大きいのです。 トラブルを起こさない、懐疑的な上司を説得できる、本業に支障が出ない程度に気軽に続けられる、でも、着実に自分の名前で仕事がひろがっていく、そんな方法が、実はちゃんとあります。 ヘッドハンターからスカウトメールが来た、自著を出版できた、講演会の講師に呼ばれた、顔が知れて社内での仕事が円滑にまわるようになった、といった個人的なメリットから、勤務先に大口の発注が来たり、超一流の外資系企業から日本の事業パートナーに選ばれたり、勤務先企業に利益をもたらすことも。営業、出世、人脈、PR、転職、出版などチャンスは確実に増えていきます。本書は、組織に属しながらビジネスチャンスを広げることを目的としたネット発信の方法を丁寧に解説。「バズる」「稼ぐ」とは一味ちがった、誰もが使えるネット発信の教科書です。 ##目次 Prologue ネットとリアルを分けない発信がビジネスを制す バズらなくていいし、ビビらなくていい 組織人こそキャリアアップにつながる 「リアルの延長線上」でつかう ネットを恐れる組織 「したたか」に発信しよう 「Withコロナ」「Afterコロナ」こそ Chapter.0 ぼくはSNS発信に人生を救われた 「普通」の会社員が「プチ有名人」になるまで 巨大企業からのネガティブ転職 クビの恐怖でゲーム廃人寸前に ブログが起こしたリアルの「革命」 「大企業的思考回路」からの脱却 ブロガー企画起ち上げでプチ有名人に Chapter.1 ネット発信で「わらしべ長者」になる 「ハプニング」を生む「プルのコミュニケーション」 障壁となる「思い込み」 文章力や完璧さは追求しない 「メディア」だと思わない お金儲けを考えない 役立つ情報かどうかは自分で判断しない 仕事に役立つ3つの理由 &nbsp(1) 「プルのコミュニケーション」ができる &nbsp(2) 「蓄積効果」がある &nbsp(3) アウトプットが「思考訓練」になる 組織に依存しなくなると仕事がうまくいく 「シンデレラ」でなく「わらしべ長者」をめざそう [Column1] 今、ぼくらがネット発信をする意味 Chapter.2 「アウトプット・ファースト」でいこう 自分のための「メモ」からはじめる 【準備編】 発信ツールの特性を知る 発信ツールは組み合わせてつかう 就業規則の確認は抜かりなく 強行突破はせず「手続き」を踏む 慣れるまで仕事の話は書かない いきなり実名発信がこわいなら amzn.to

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僕の主な生息SNSはTwitterで、日々、意識ひくい系の投稿を繰り返している。気になる人はぜひ以下から覗いてみて欲しい。何ならフォローしてくれると毎日書いているnoteの更新情報をお届けする。

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