「転職を経験してない」と思ってる人も部署移動などで経験できている件

「転職を経験してない」と思ってる人も部署移動などで経験できている件

2022/4/7

どうも、えんどうです。

どうも、えんどう @ryosuke_endo です。
先日、数少ない友人が転職の相談をしてきた。ぼくみたいな人生をフラフラと生きている風来坊みたいなどうしようもない人間に向けて相談をしてくるぐらいだから、よほど困っているのだろうか。もしくは相談できる人間がいなくなってしまうほどに深刻なものなのだろうか。
いずれにしても相談をされてしまっている以上は乗らなければならない。いや、乗らなければならないわけでもないのだが、それなりに付き合ってきた年数もある腐れ縁とやらでもあり、なんとか力になってあげたいと話を聞いてみた次第である。
簡単にいうと「転職を考えているのだが、これまで10年以上勤めてきた会社しか在籍歴がないから雇用されるのかどうか心配」といったもので、正直、どうでもいい内容であることに違いなく(本人にも同じことを伝えた)、他にも同様の悩みみたいなものを抱えている人もいるだろうから回答内容を踏まえて(本人同意済み)記載していこうと思う。

▶︎ 【結論】何も心配はいらない。

なんというか、転職を経験したことがない転職童貞みたいな物言いをしてきたものだから、ついつい話半分な態度に出てしまったのだが、話を聞いているのかと少し語気を強められて指摘を受けてしまった。
しかし、仕方のないことだろう。なにぶん、ぼく自身は転職活動をしてもいない人間の心情などどうでもいい。そう、どうでもいいのだ。彼は転職を考えているだけで、何も行動を起こしていなかった。さすがになんの助言もできないといいつつ、彼の話を聞いてみることに。
すると、
「これまで15年も同じ会社にいたから他の会社から評価されるような状態になるとは思えない。どうしたら評価されるのか。どうしたらお前(ぼく)のように次々と転職できるのか」といったところだ。
...正直、少しdisられたような気もしたのだが、ぼくが次々と就労ができているのは誰でもない雇用してくれる事業者がいるからで、それ以上でもそれ以下でもない。少なくとも、正直にできることはできるができないことはできないと応答してきただけだ。
たしかに、一般的な労働者よりは転職の回数が多いかもしれないが、それぞれの業界や職種によって求められることが異なる中で初心者目線でいることを前提に生きてきたため、ある業界では「素朴な疑問」がクリティカルな課題として挙げられてしまうほどに硬直化しているケースはままある。
つまり、内部評価を高めようと躍起になってきたあまり、外部からの視点が欠如していて「それを言われたら...」などと及び腰になる組織だってあるのだ。
それを持ち出せばいい、といったら「わけわかんない」といわれた。たしかにそうだろう。ぼくだってわかるとは思わずに投げた。
彼は同じ会社にはいたかもしれないが、定期的に部署移動を経験してきており、その点を指摘すると出るわでるわ棚卸しできそうな素材たち。
まずはそれを棚卸したらいい、と嫌々ながら話を進めた。

▷ 「大したことがない⇒他者から見れば大いなる価値」もあり得る

転職経験のない人間は、自身が狭い世界観に捉われていることも多く、その価値を自覚することもできなければ、現在の所属企業での評価が世間からの自分に向けられた評価であると勘違いしてしまう。
「んなわけあるか」といいたいところだったが、さすがに内容が強すぎるかもしれないなと遠慮しそうになったが、彼がそのような意味のわからない認識をしていたのできちんといった。
すると画面越しに話していた彼の表情はどうだ。
まるで池の中で餌を求める鯉のように口をポカンと開けて情けない表情をしているではないか。
「貴様の評価が現在の所属企業だけで決まると思っているのか、この愚か者!」と語気を強めにいったのがよくなかったのか...あまりにも衝撃的な顔をしていたのでトイレに行くふりをして薄ら笑いを浮かべてしまったのは秘密である。
転職を検討する人に考えておいてもらいたいのは、自身が取り組んできた業務や、そこで培われたスキルに経験といったことは外に持ち出せないようなスキルや経験ももちろんあるだろうが、大抵の場合は外に持ち出しても通用するものが多い。
たとえば、病院施設でリハビリを担当していた理学療法士だったとする。彼はまったく自身の取り組んできた業務が他の業種に通用するとは思っていない。「自分は医療従事者で、社会をまったく知らないような役立たずである」とかわいそうな認識を持っていたりするのだが、筋違いもいいところである。
リハビリを担当する以上は保険点数の獲得と患者や利用者の回復を天秤にかけながら実施するものであって、いうてしまえば予実管理をしっかりと計画立てて行っているのだ。短期的な目標と長期的な目標を定量的・定性的に評価を行った上で、時には修正を加えながら実施していく。
医療従事職と聞くと他では代替できなそうな印象を持つかもしれないが、何も考えずにダラダラと過ごしながら身銭を稼いでいるような働き方ではない。
このように、何かしら現状の業界や職種から持ち出せるスキルや経験のことを「ポータブルスキル」と呼ぶらしいが、大半の就労者は外部に持ち出せるだけのスキルや経験を持ち合わせているはずで、それを自覚することからはじめるだけでも、かなり転職成功率は高くなるはずだ。

▷ 部署異動・部署変換によって疑似転職を果たしている

彼の話に戻ろう。
彼は新卒で入社した時点で人事に配属され、そこから総務を経験し、再び人事に戻ったかと思いきや本人が営業を志望したことから営業を担当するという、同一企業の中でもそれなりに経験値の高い職歴を重ねている人材であった。
同一業界で異なる職種を経験できているではないか。会社は変わっていないかもしれないが、やるべきことが異なるだけでなく、それぞれをいかにして連動させるのかまで思考しながら就労をしてきたことも話をしている中で共有できた。
「やめなきゃいいじゃん」
ぼくはそういった。同じ企業に属しながら、自身の希望の有無はあれど職種を変えてくれるような事業主なんだから居心地がいいだろう、と。そんな環境から飛び出すほどまでに追い込まれていたり、飽きるようなこともないのではないかと問うた。
「いや、もう居たくない」と彼は答える。別に会社が嫌になったのではない。自分がこの会社にいる自分自身が嫌になったのだ、と。
「しがみついてればいいじゃん」サラッとぼくがいうと、彼は「それが嫌だから出たい」と彼がいう。どうやら彼は「しがみつこうとする自分の精神性」が許せないようだが、それだけしがみつけるだけの条件が揃っているのであれば、別にしがみつづけてもよさそうなものだ。
なぜなら、中の人たちは短ければ数日で、中には年単位での変動はあるだろうが、少なくとも彼以外のメンバーは大抵変わっている。つまり、彼は擬似的にでも転職を果たしているような状態は経験しているのだ。
無論、社外に持ち出せないローカルな環境に特化・最適化されたスキルや経験が蓄積されていることも事実であり、生きる化石や生き字引のような存在として扱われるようになっていたのは仕方がないことだろう。
いまのご時世だけでなく、そもそも10年以上も同じ組織に属していられること自体が稀有な存在であることを物語っているが、そんな彼でも擬似的とはいえ何にも変わらない環境で就労していたのかと言えばそうではない。きっちり人が変わったなりに対応してきたはずだし、誰かに物事を伝える際には口伝ではなくマニュアルなどで再現性を高めてきた。
人が入れ替わるということは、その都度、教育コストが生じてしまうものだが、彼はそれを身をもって体験している。自分が教育コストを支払う側でいたこともそうだし、支払ってもらう側として享受することもそう。それを知っているからこそ、彼は可能な限り再現性を高めるような努力をしてきたことが話の中で理解できた。

▷ だから心配いらない

彼が友人や知人だからというわけではないが、かなり有能な側であるのではないかと思っている。自分のスキルや能力を高めるだけであれば、組織にマニュアル制作を打診もしないだろうし、自らが骨を折ってすることもないだろう。
しかし、彼は自ら率先して組織の生産性を少しでも向上させようと移る部署で教育の仕組みを構築することを繰り返し行ってきた。ただ、残念なことに彼のそれは社内で評価されることがなかったのである。非常に悲しいことではあるが、彼が営業を希望したのはそうやって評価されないことが露見していたことと、いくら他者のために仕組みを構築したところで評価されるような制度が整っていないことからだった。
営業であればわかりやすい指標があり、それを達成すれば会社としての評価もされるし、周りの人間からも賞賛されることがわかっていたからだ。ただ、残念なことに彼には営業で業績を上げるようなことはできなかったし、できる気配もないそうである。無念としかいいようがない。
ここまでみてきたように、十分、彼は他社からも評価をされる業績を担ってきたのは事実である。あとはそれを他者が理解しやすいようにBefore/Afterを数値に置き換えればいい。嘘はいけないが、多少は盛ったとしてもわかるものではない。
それまでにかかっていた異動や新入で新たに配置された人にかかっていた教育コストを時給換算し、定着・実働できるようになるまでの期間とつきっきりで指導しなければならない人件費を算出したところ、かなりの経費削減に貢献していたことがわかったが、それを評価してもらえないことも露見したことにより彼の絶望は腹を抱えて笑ってしまうほどに悲壮感に満ちていた。
そんなわけで、やっぱり「心配はいらない」って話で帰結するわけだが、どうにも不安だという。知らねーよ、で片付く話だし実際に彼に向かって「知らないよ、がんばれよ」と放り投げて終わった。
話の中で、随分とスキルや経験の棚卸しやPRができる部分などをしつこく聞いたりもしたから書類作成においても心配はいらないだろう。たぶん、それが評価されるような会社であれば、しっかりと評価を受けられるだろうし、相応の待遇も期待できそうではあった。
そんなわけで、彼に類似する転職に自信がない方々に向けて一言。
大丈夫、心配はいらない。心配はいらないが、事前準備として自身の棚卸しはきっちりと人に付き合ってもらいながらやった方がいい点だけ付け加えておく。
ではでは。
えんどう

▶︎ おまけ

▷ 紹介したいnote

このnoteでも記載されているが、新卒から定年退職までを迎えられる人は本当に稀有な存在だ。そもそも中学校を卒業してから大学を現役で卒業し、新卒で入った会社を3年継続できる割合は16%しかいない。それを考えても新卒から定年までを迎えられる人など、それこそ生きる化石である。

しっかりと自身の転職を誇れる状態を構築できているのは率直に好感が持てる。すばらしい人材であると同時に、すばらしい幸運にも恵まれている点はうらやましいとすら。一つの環境しか知らない場合、そこがすべてになってしまうため価値基準がおかしくなる。だから飛び出したらいい。
非常に説得感のあるエントリーだ。多くの転職尻込み組の人たちに共通するのは「自分の選択」すら選べない人たちである。しかし、自分の人生は自分しか幸福にできない。他人に幸福にしてもらおうなどというのは幻想ですらないのだ。

▷ 紹介したい関連書籍

ログを取って確認しましたって話なので、それを受け取ることをすればいいだけの書籍かもしれないが、どういう習慣を持っている人がいるのかを把握することは自身の棚卸しを行う際に役に立つ。知らぬより知っていた方が有益であることは誰でも知っていることだろう。

▷ えんどうのTwitterアカウント

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