保護養育者が子どもたちに向けてできないことを強要すること

保護養育者が子どもたちに向けてできないことを強要すること

2022/4/1

枕にかえて

どうも、えんどう @ryosuke_endo です。
ぼくの大好きなサービスであるtogetter内にとてつもなくキッツイ内容のスレッドが立ち上がってしまっていた。
リンクを踏んで読まない人のために概要を説明するが、タイトルの通りだ。何の説明にもなっていないが、タイトルがすべてを物語っている。
ここで記載されている保護養育者が「native 日本人」なのかどうかわわからないが、少なくとも英語漬けと表現をする以上は「英語教育って大事ですわ(キリッ」ぐらいにイシキタカイ系をやってらっしゃる方なのかもしれない。
残念なことに「イシキタカイ系になりきれない系」なんて属性も存在するほどに自分ができもしないことを他人に強要する、しかも相手は未成年で年端も行かない子どもであった場合にはとてつもなくかわいそうな事態に陥ってしまうことになる。
じゃ、どうしたらいいんだろうなぁ...なんてことを考えてみよう。(最近は5,000字とか超えてしまっているため、短めにする...)

▶︎ 共にやればいい

まず、根本的に子どもに向き合う姿勢の話でいうと、共にやればいい。
冒頭で紹介リンクを貼っている内容を見てみると、日本人の日本人話者である保護養育者がカッコつけて「英語教育大事」などといった6文字熟語を完成させてしまいたい衝動に駆られてやり出してしまったっぽいのだが、自分ができないことを子どもに託すなど言語道断だ。
気になったので学術会ではどんなものがあるのかを軽く漁ってみた。本当に流し読みする程度でしか検索をしていないため、精度や粒度が荒いことはご容赦願いたい。ただ、総じていえるのは保護養育者の姿勢や態度が中途半端であればあるほどに大問題なのだってことだ。
中途半端とは何か。自身が英語を話せないのに子どもに「英語大事」の四文字熟語や「英語教育大事」といった六文字熟語を完成させてしまうことだけに躍起になる態度のことだ。つまり、当人は英語環境にさらされて苦労をしたわけでもなんでもないのに、子どもには英語漬けにする時間を設け、時には英語以外の表現を固く禁ずるなどの虐待ともいえる行動をとることで自己中心的な欲求を満たすことに全力を尽くすことをいう。
そんなことをするのなら一緒にやればいいのだが、子どもにだけ押しつけてしまうことは詰まるところ保護養育者のコンプレックスが発露してしまっているのだといわざるを得ない。自身のコンプレックスを子どもに期待をかけているふりをして押しつけるのはやめるべきだろう。
自身がプロ野球選手になれなかったからといって、野球の英才教育的なことをしたところで子供がプロ野球選手になれるわけでもないことは多くの人が理解できるだろう。

▷ 思考の土台となるのは「親の言語=日本語」

英語の早期教育を否定するわけではない。ぼくだって子どもたちがbilingual として複数の言語を用いることができるのであれば、その方がいいだろうとは思っている。それがぼくの自己満足で終わってしまうのであればすべきではないとも考えているだけだ。
Newsweek(日本版)に類似する記事が掲載されていた。
特に文末に記載されていた一文を読んで思わず画面越しに笑ってしまった。
いけないのが「これはappleよ」と日本語と英語を混ぜて教えたり、「This is an apple、これはりんごよ」と英語を日本語に翻訳して教えることです。まれに日本語と英語をミックスして話す子どもがいますが、それは混乱しているのでなく、一つのコップに日本語と英語が混ざっているからです。どの言葉が日本語で、どの言葉が英語なのか、その区別ができていないのです。
おそらく、子どもに自身のコンプレックスを押しつける人は自然とやってしまっていそうなことではないか。英語教育だなんだという前に、まずは自身の日本語の言語能力をきちんと身につけるべきで、語彙が「やばい」とか「うっま!」とか乏しい状況なのであれば、その改善のが先に立つはずである。

▷ 聴覚の発達期限

つまり、nativeな日本人であるにも関わらず、懸命に英語教育を施そうと躍起になるぐらいであれば、共に英語で書かれた絵本を読み聞かせするところから始めればいい。幼児向けの絵本程度であれば難しい単語や用法が用いられているわけではないため、親子による学習の手っ取り早くかつ早期に取り組むことが可能になるだろう。
問題になるとしたら、保護養育者の英語発音がいい加減だった場合、子どもたちが聴覚を使って記憶に定着させる際に誤った情報を伝えてしまうことになる。これは大問題だ。
聴覚の発達が10歳までに終わるだとか15までかかるといった研究は複数存在するため、聴覚の発達時期を考えると期限が決まっていることは確かであるため、その期間までに正確な音を定着させなければ、一生理解できない状態になってしまう。それこそ子どもにとってリスクだろう。
ぼくなんかは最近、高周波の音が聞き取れないことに気がついた。3歳の子どもと一緒に遊びながらネット上に転がっていた高周波の音を流したところ、3歳の耳にはしっかりと聞き取れていたそうだが、ぼくの耳というか脳には音が認識されなかった。
「ほら、聞こえるだろ!この音だよ!ほら!なんで聞こえないんだよ!聞こえるだろ!」なんて具合にまもなく4歳となる子どもが必死に訴えてくる様子をみて喜んでいたのだが、内心はしっかりと加齢による肉体的な劣化を自覚することとなり傷ついていた。
それはまったく関係ないが、少なくとも日本語話者であるとするなら自身の言語能力を鍛える方が先だろうし、背伸びをしまくった結果として子どもが生きづらい状態を引き起こすことは本末転倒でしかない。

▷ 英語に限った話でもなんでもない

おそらく、今回はたまたま英語教育に焦点が集まっているが、詰まるところは英語に限った話でもなんでもない。保護養育者たる親側の態度や姿勢自体が問題になるのだ。
押しつけがましく、子どものためといいながら自身の欲求を満たすための道具として子どもを利用する姿勢や態度は決して誉められるものではない。仮に褒め称えられるのだとしたら、オカルト的な新興宗教などにはまり込んでしまっている可能性があるため気をつけた方がいい。
環境を用意することは大事である。その点において、英語教育の環境を用意しようとすることをやっている段階でえらい。ここは誰が誉めなくてもぼくが褒める。ただ、それが押しつけになってしまうのであれば誉められたものではない。
当人がやりたいと思えるのであれば、それを全力で支援するような状態を作っておくことしか保護養育者にはできない。それを自覚するからこそ、冷静に手を差し伸べられるのではないかと思う次第だ。
そんなわけで、今日も我が家の子どもたちに「えいごであそぼ with Orton」を見せようと思う。
ではでは。
えんどう

▶︎ おまけ

▷ 紹介したいnote

松井さんは自身もBrighture English Academyの代表を務めていることから英語教育における実践者であるといえるが、このnoteで書かれている内容というか各項目は大いに参考になるため、自身の英語能力における基準として考えていいだろう。


そう、英語の正しさは誰が使っているものなのかを疑問に思っていた。アメリカのもの?イギリス?え?グローバ、る?なにそれ!!みたいな感情を抱いていたため非常に理解しやすいnoteを記載してくれていたことに感謝申し上げる次第である。

かなりの苦労をされてきたのだということを読み進めるごとに実感する内容で、多くのスキがついているのも納得だ。


▷ 本noteに関連する紹介したい書籍

中学英語から読み直したい、学び直したいという願望をお持ちのあなたにおすすめしたい。完全に当時の教科書を思い返せるだけでなく、当時の甘酸っぱい記憶まで呼び起こしてしまうかもしれない。そんな本である。

▷ 著者のTwitterアカウント

僕の主な生息SNSはTwitterで、日々、意識ひくい系の投稿を繰り返している。気になる人はぜひ以下から覗いてみて欲しい。何ならフォローしてくれると毎日書いているnoteの更新情報をお届けする。

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